最善でない最高の結末【仮面ライダージオウ 最終話 考察・感想】

仮面ライダーファンにとっての平成が、とうとう終わった。

何のことかと言えば、本日は仮面ライダージオウ最終話の放送日だったわけで。つまり、平成ライダー最後の日だ。

毎年恒例、甲子園が生み出す時空の歪に巻き込まれ、更にはTTFC鯖落ちにより、リアタイ組よりかなりの遅れをとってしまったが、やっとこさ視聴が完了したので早速感想を書き留める。

門矢士の作戦とツクヨミの裏切り

最終話は、仮面ライダーとなったツクヨミの突然の裏切りから始まる。

そもそも門矢士の立てた作戦と、なぜツクヨミは裏切ったのか?という部分が少し難しかったので、最終話の展開を理解するために整理してみる。

まず、士が立てた作戦はこうだ。(たぶん。)

ツクヨミを仮面ライダーにすることで、ツクヨミの世界を『仮面ライダーツクヨミの世界』として復活させる。その後、崩壊が始まっているジオウの世界の人々を救うため、ライダーの力でツクヨミの世界との間に橋を架けて人々を移動させる。また、ツクヨミの世界の王にはアナザーディケイドことスウォルツではなく、仮面ライダーツクヨミを君臨させることで、世界を安定させる。

しかし、この作戦には大きな穴がある。ジオウの世界の人々を救った後、歴代平成ライダーの敵であふれ返り崩壊の始まったジオウの世界は破壊するという作戦であり、ジオウの世界の破壊=ソウゴの消滅を意味する。要は、ソウゴを犠牲に人々を救う作戦なのだ。

ここからは私の想像も含まれるが、ツクヨミが作戦を裏切ったのは、このことに気付いていたからではないだろうか。 だからこそ、ソウゴを救済する別の未来を求めて裏切ったふりをしたのではないか。

そして考えたのが、ジオウの世界とツクヨミの世界を融合させて新たな世界を作り、ソウゴを王として君臨させることで消滅から救うという別の計画だ。「ソウゴ、2つの世界をあなたに託す。」というツクヨミの言葉は、この計画を考えた時から言おうとしていたセリフだったのかもしれない。

オーマジオウになったソウゴ

ソウゴをオーマジオウにさせないために未来からやってきたゲイツとツクヨミ。オーマジオウという自身の未来を知り、そうならないため、最高最善の王様になるために、自分の手で未来を掴み取ろうとするソウゴ。これが仮面ライダージオウの物語だ。

しかし最終話で、ソウゴはオーマジオウになってしまった。結果だけ見ると、ゲイツ達が未来から来た目的は達成されなかったということになる。

更に言うと、ゲイツの死、そして彼の「オーマジオウになれ。」という言葉により、ソウゴはオーマジオウとして目覚めている。 ゲイツはオーマジオウになるのを止めるどころか、最終的には覚醒のきっかけまで作ってしまっているのだ。

しかし、ゲイツには確信があった。今のソウゴなら、オーマジオウになったとしても最低最悪の魔王にはならない。自分達が元いたオーマジオウに支配される未来は回避されるだろう、と。

第48話でソウゴがオーマジオウに「あんたは未来の俺かもしれないけど、1つだけ違うところがある。俺には仲間がいる!」と言ったように、今のソウゴにはゲイツ、ツクヨミ、ウォズがいる。仲間の存在は確実にソウゴを変え、新たな未来を作り出し、最低最悪の魔王=オーマジオウという方程式を最高最善の魔王=オーマジオウという新たな式に作り変えた、ということだ。

オーマジオウ覚醒の回避というベストな結果は得られなかったが、それでも仲間の絆が新たな未来を切り開いた、という結末。良い!

ツクヨミの裏切りはゲイツとの予定調和だった?

話を整理してみると…あくまで仮説だが、ツクヨミの裏切りはゲイツとの予定調和であり、ソウゴをオーマジオウとして覚醒させるところまで織り込み済みだったのかもしれない、と思えてきた。

ゲイツは第48話で2068年のオーマジオウと対峙した際に、ソウゴが消滅するかもしれないことを聞かされている。当然ゲイツはそうはなって欲しくないはずであり、ツクヨミを巻き込んでその未来を避けるために行動していてもおかしくない。

ソウゴを助ける方法はツクヨミの裏切りの理由として前述した通りだが、それにはソウゴを王にする必要がある。しかし、今のソウゴは王ではない。ゲイツが自身の犠牲まで考えていたかは定かではないが、だからこそソウゴが魔王になるきっかけを作ったのではないだろうか。

また、ソウゴがオーマジオウとして覚醒してアナザーディケイドを倒した後、2つの世界が融合することで全ての敵が消滅し、世界は救われたことになっている。この原理が最初はイマイチわからなかったのだが、これはオーマジオウの時空の破壊と創造の力によるものではないだろうか。そして未来からきたゲイツとツクヨミなら、オーマジオウに世界を救う程の強大な力があることを知っていたかもしれない。更に二人は、今のソウゴなら最高最善のオーマジオウとしてその力を使ってくれることを確信していた。だとしたら尚更、ゲイツやツクヨミの行動はソウゴを助けるための確信犯的な作戦だったのではないだろうかと思えてくる。二人は士の作戦を、ソウゴも世界の人々も救う方法で上書きしたということだ。

この作戦は、門矢士には思いつけないだろう。共にソウゴと長い時間を過ごし、オーマジオウ化=バッドエンドではないという確信がなければ考えられないからだ。

仲間に導かれるようにオーマジオウになったソウゴが「世界を救ったのは、ゲイツやツクヨミやライダー達みんなの力だ。」と言ったことにも尚更頷ける。

だとしたら、3人の絆が生み出した最高の世界救済の方法じゃないか。

時空改変後の世界

全てのライダーの世界+ツクヨミの世界が融合した新たな世界の王となることで、ソウゴの王様になるという夢は叶えられた。しかし、その結果を良しとはせず「みんなのいない世界で、オレ一人王様になったって仕方ない。」と言い放ち、オーマジオウの力で時空を作り変えてしまった。

21個の世界は再び別々の世界となり、時間は2018年9月まで巻き戻された。しかもそれはただの巻き戻しではなく、ゲイツ、ツクヨミ、オーラ、ウール達がソウゴと一緒の学校に通い、幸せに(?)暮らしている世界に作り変えられていた。

この時空を作り変えるという行動。つい1年前にも仮面ライダービルドの最終話で見たわけだが、ビルドの時空改変(新世界創造)はそれそのものが世界救済のためだった。実際に多くの人間が救われただろう。

しかし、ソウゴにより行われた時空改変は、世界を救うためというよりもソウゴのエゴがかなり強い。世界そのものを巻き込んだリセットにはそれ相応の覚悟を持って挑んで欲しいわけだが…そんなことソウゴくんもわかってるよね。それでもソウゴくんはやり直しの道を選んだんだよね。それならそれでよし、みんなで幸せになってくれ!(1年間で培われた謎の親目線。)

いやー、オーラやウールもソウゴくんの構想に入れてもらえてよかったね。ウールはともかく、オーラは北島優子殺したりかなり酷かったからな…。さすがにスウォルツはこの世界には入れてもらえなかったか。

制服のツクヨミ…この世界のツクヨミもテストで3点とってるんかなあ。

ウォズは、あのポジションがウォズにとって最も幸せな立ち位置と思われて、そのままにされているんではないだろうか。

もう一つの結末『Over Quarzer』

ジオウのもう一つの結末である『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』では、ソウゴがオーマジオウではなくオーマフォームとして覚醒することで、最低最悪の魔王になる未来は回避された。

うん、正直言うと、Over Quartzerの結末の方が圧倒的に綺麗でわかりやすい。

TV最終話の結末を見た時、あーソウゴは結局オーマジオウになちゃうんだ…という思いも正直あった。しかし、ゲイツ、ツクヨミ、ウォズ達仲間との絆で勝ち取った未来であり、たとえ思い描いていた最善の形とは違っても、オーマジオウそのものを最高最善にするに至らしめたこの1年間の出来事は、振り返れば振り返るほど尊さで心が満たされる。これはこれで好き。

オーマフォームへの覚醒という最善の結末ではなかったかもしれないが、仲間との絆で勝ち取った最高の結末だったのではないだろうか。

最後に

最終話では、おじさんのジェバンニ的大活躍によりグランドジオウが復活した。(ひっさびさにフル尺でのグランドジオウの変身見たけど、FFの召喚獣の召喚エフェクトを省略せずに見た時の気持ちになった。)

その変身時、ソウゴは「どんなに歴史が壊されても、仮面ライダーは壊れない!」と叫んだ。

そう!たとえ仮面ライダーの歴史が壊されようとも!人の記憶はその歴史を覚えている!人の記憶がある限り仮面ライダーは存在するんだ!

平成の最後の最後にこの1年劇場版でもやってきたこのテーマのダメ押し!エモい!

そして歴史の一部となったジオウの事も忘れることはないだろう。

最終話なのに、ゲイツが一緒にいれて幸せとか海東が一緒にいることが最高のお宝とか言い出す2号ライダーのデレのバーゲンセールだったり、スウォルツの高笑いから役者さんのおふざけが垣間見えたり、鎧武がパインアームズだったことも覚えておくぞ!

ありがとう!そしてさようなら!平成ライダー!

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