Amazonプライム・ビデオで配信されていたので、何となく見始めた『ゾンビランドサガ』。
『ご当地アイドル+ゾンビ』という足し算の作品であり、第1話では主人公のさくら以外は、意思の無い正に“ゾンビ”の状態だ。
「これから先どうやって話進めていくんだ?」という感じだったが、第2話以降はほとんどのメンバーが自我を取り戻し、アイドル出世物語にドタバタゾンビギャグを絡めて話数を重ねていった。
お気楽に視聴できるアニメとして楽しく見ていたのだが、そんな認識が良い意味で変わってきたのが第6話『だってセンチメンタル SAGA』からだった。
チームの中でもアイドル活動に対してストイックな姿勢を取る水野愛と紺野純子の二人が、アイドルとしての価値観の違いからぶつかる回だ。
その価値観の違いは、二人が全く違う時代の人間だというところに原因がある。
二人は生前にもアイドルとして活動していたが、水野はAKB以降の『会いに行けるアイドル』であり、80年代のアイドルである紺野にとって、そのファンとのあまりにも近い距離感は理解できないものだった。
この展開がかなり面白く、ゾンビ設定の副産物である“違う時代の人間の集まり”という設定がここにきて効果を発揮し、一気に作品の世界観が広がったように感じた。
そしてここからは、メンバーの過去が絡む話が続く。
第8話では、星川リリィがリアルパパと再開してしまう。
ここまでのお気楽な展開で忘れていたが、彼女達は死んでいるので、当然遺された家族や友人がいるのだ。
“まさお”ネタがクッションにはなりつつも、こんなフザけたキャラデザのパパに泣かされるとは…。
子役だったリリィの特徴を活かしたのであろうミュージカル風EDもすごくよかった。こういう細かい配慮が作品のクオリティにつながるね。
第9話は、サキと遺された友人とその娘とのエピソードであり、こちらにもバリバリ泣かせられた。
サキメインの“氣志團風”ED曲もめっちゃいいやん…。
一度は尽きたこの命 なんの因果か蘇り 歌い踊るが宿命(さだめ)なら 親友(とも)への想いを胸に秘め 貫くまでよ己の SAGA
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『今、会いに行きます』ばりの死者蘇生感動エピソード(例えが古い)連発に戸惑いつつも、この4つのエピソードが終わる頃には前のめりでアニメを見ることになっていた。
そしてここで気付く。
このアニメでのゾンビ設定の本質は『意思無く徘徊する・他人をゾンビに感染させる』等の一般的なゾンビとしての役目ではなく、蘇生により“様々な時代の人間が現代に生きている”というところだ。正確には死んでいるが。
ストーリー上に違う時代の人間を存在させるための仕掛けであり、時代による価値観の違いや遺された者との再会などのエピソードは時間ものに近い。
そこがこのアニメの後半の面白いフックになっていたんだな、と膝を打った。
ゾンビの話かと思ったら、時を超えたアイドルの話だったわけだ。
などと、ついついオタク的感想文をつらつらとこねこねと書きたくなってしまうわけだが…
みみみ水野愛ちゃん好きあああくぁwせdrftgyふじこlp
という愛からこんな文章を書いてしまうわけだ。許せ。いやいや、拙者はオタクではござらんのでwwwコポォwww。
なんかねぇ…真面目系キャラ好きになりがちなんだよ…最近だと新島真(ペルソナ5)とか…。
アニメは一旦最終回を迎えたわけだが、最も古い故人であるゆうぎり姉さんのエピソード、過去のアイドル・子役としての経歴からのゾンビバレなど、面白そうな要素を残しながら二期の存在を匂わせまくっていたので楽しみで仕方ない。