一昔前までは、バンドで同期演奏をするにはPCやMTRの持ち込みが必須でした。しかし現在では利便性、安定性、コスパなどの面からiPadを利用しているバンドも増えているのではないでしょうか。
そこで必須になってくるのが『DAWアプリ』です。
で、DAWアプリを購入しようとする訳ですが…
どのアプリ買ったらいいかわからんがな!
マニュアルが無い、あっても英語のみなんてのはザラ。基本的にアプリは買ってみないとわからないパターンが多いですよね。
そこで、同期演奏に最適なDAWアプリを調査してみました。
同期演奏に向いているDAWアプリの条件は?
私は、以下の2つの機能が同期演奏には必須だと考えています。
- マーカー
- マルチアウト
マーカーは、次の曲の先頭へ素早く移動したい時に使用する機能ですね。
マルチアウトはドラマー用のクリックと同期音源のトラックを別系統で出力するための機能です。
最低限これらの機能を搭載したアプリを探すため、以下のアプリの機能を調査しました。
- GarageBand
- Music Studio
- Cubasis 2
- Auria
Cubasis 2やAuriaなんかはそれなりのお値段なので(高機能なDAWソフトと考えるとめちゃくちゃ安いですが)私も買ってみてやっぱり使えなかった…という状況は避けたいので、情報が少ない中がんばって調べました。
調査結果はAuria一択!
※2018年6月現在の情報です。今後アップデートで実装される可能性はあります。
アプリ \ 機能 | マーカー | アルチアウト |
GarageBand | △ | × |
Music Studio | × | × |
Cubasis 2 | × | ○ |
Auria | ○ | ○ |
ということで結果はAuria一択。
WaveMachine Labs, Inc.
ネット上の古い記事でAuriaはマルチアウト非対応という記事も見かけましたが、現在は対応しています。
※AuriaにはLEという廉価版が存在しますが、こちらはマルチアウト機能がないらしいです。ProというMIDIも扱える上位版も存在しますが、通常のAuriaでもマーカーとマルチアウトについては実装されています。
※AuriaはiPhoneには対応していません。
Auriaの設定方法
Auriaは日本語マニュアルが無いので、どこで設定するか解説!
マーカー
画面右上の『Transport Options』にタッチすると、マーカーを設置する『Set Marker1~4』と、マーカーへ移動する『Go to Marker1~4』が選択できます。マーカーの最大数は4つまでです。
マルチアウト
ミキサー画面で、クリックと同期音源トラックのOUTPUTをそれぞれ別のバス(SUB 1~8)に振り分けた後、画面中央左のMenuから『Output Matrix』を選択します。
接続したオーディオインターフェイスに応じたチャネルが選択できます。画像ではSUB 1をチャンネル1&2へステレオ出力し、SUB 2をチャンネル3&4にステレオ出力しています。
最後に
持ち運びの面でも安定性の面でもメリットがあるので、iPadを同期演奏のシステムとして使う人は今後ますます増えていくのではないでしょうか。
今の段階では確実にAuriaがベストなアプリのようです!
iPadを同期演奏で使用するためのオーディオインターフェースは『ZOOM U-24』がおすすめ
初めまして。
バンドの同期に今までMTR(ZOOM M8)を使用していましたが、
諸々の使い勝手の面でiPadの導入を考えていたので、
非常に参考になりました。
以下2つほどご質問させていただきたく存じます。
・某ネットストアではiPhone/iPad用のオーディオI/Oで
4outのものはほとんど見当たらないのが現状ですが、
iPad側にLightning(メス)端子←→USB(メス)に
変換するアダプタを付けた上で、
一般的なPC用オーディオI/Oを接続する形でも
問題なくDAW側で認識できるものでしょうか?
(もちろん製品によるかとは存じますが・・・)
本記事の執筆の際にiPadへ接続しAuriaで認識させた
オーディオI/Oを参考までにお教えいただけると幸いです。
・記事上の画像では、各トラックのoutputを
クリック→ch1, 2
音源 →ch3,4
と振り分けていますが、
クリック→ch1, 2
音源 →ch1, 2, 3, 4
といった形で振り分けることもできますか?
こんにちは。
オーディオI/Oに関しては、私はZOOMのU-24を使用しています。
電池駆動、マイクスタンドへ設置が可能など、ライブで使いやすさが重視された製品だと思います。
Lightningケーブルは付属していないため、LightningとUSBの変換アダプタは別途必要になります。
>一般的なPC用オーディオI/Oを接続する形でも
> 問題なくDAW側で認識できるものでしょうか?
これに関してはおしゃるように製品それぞれですので、
オーディオインターフェースの仕様を確認頂いたほうが確実かと思います。
出来るものもあるはずです。
>クリック→ch1, 2
> 音源 →ch1, 2, 3, 4
> といった形で振り分けることもできますか?
単純に音源側を複数chに送ることはできません。
ルーティングを考えれば実現できそうな気もしますが、私はU-24側で同等のことをしています。
U-24の機能で簡単にクリック側へ音源をモニター用にミックスさせて返すことができます。(実際にやライブでやりました。)
突然のコメント失礼します。
こちらiPadは何をお使いでしょうか?
どれくらいのスペックの機種を使えば安定して使用できるかが知りたいです。
imnさん
コメントありがとうございます。
ライブで使用したことあるのはiPad Air2と最新の第6世代のiPadです。
この2つであれば6トラックくらいでwavファイルを再生するのは全く問題ありませんでしたよ。
これより古いモデルについては試したことがないです。
突然のコメントを失礼いたします。まずは大変参考になる記事をありがとうございます、おかげさまで実際にipadでの同期システムを導入することができました。
一点質問させてください。
クリックについて、通常のDTMソフトのようにシステム上でクリックのトラックがあるのかと思ったのですが、auriaにはデフォルトのクリックトラックはないのでしょうか?別途クリック音源を自前で書き出す必要がありますか?
複数の曲を同一プロジェクトファイルで走らせており、テンポチェンジ機能も利用しているのですが、今のところクリックトラックを見つけられていません。
もしご存知でしたらお教えいただけると非常に助かります。
不躾ではありますが、どうぞお願いいたします!
こんにちは。
>auriaにはデフォルトのクリックトラックはないのでしょうか?
Auria側のメトロノームのオンオフは、画面左上のBPMの部分をクリックすると表示されます。
私はクリックも同期音源と同じようにDAW側で作成しておりメトロノームは今まで使っていなかったので少しいじってみたのですが、もしかしたらメトロノームの出力先がチャンネル1&2固定かもしれません。
使用するオーディオインターフェースによっては、問題ありかもしれません。
私はZOOMのU-24を使っておりチャンネル3&4側にクリック音がきて欲しいので、やはりクリックもDAW側で作る必要がありそうでした。
コメント失礼致します。
はじめまして。
ヤマシタ様のブログを参考にさせて頂き、ipad pro ・Auria・zoom u-24を使用して無事に同期音源をスタジオ内で流す事ができ大変助かりました、ありがとうございます。
1つ質問があるのですが、私達の環境で同期音源を流した場合多少のクロストークが生じてしまいます。
DAW側の出力設定等もヤマシタ様のブログ内と同じ状態にしたのですが、上手くいかず…。
アウトプット用のシールドなど機材側の選択ミスの可能性がある為、もしよろしければどの様な機材をお使いか教えて頂きたいです。
よろしくお願い致します。
KMさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
クロストークということは、外に流す音源側にクリックの音が混じってしまっているということでしょうか?
何か問題があるとすれば、iPadやAuriaよりもアナログ部分があるu-24かなと考えています。
調べてみると、Amazonのu-24のレビューに以下の記載を見つけました。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01FJLYT8S/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_ahSKDb4JXR8Y5
ということですので、一度ヘッドフォン(イヤフォン)を別の物で確認してみてはいかがでしょうか?