第7話まで放送が終了し、ウィザード編真っ只中の仮面ライダージオウ。
タイムスリップという難しいテーマについて各所で色々な考察がなされている一方、公式が『大人の事情にツッコムやつは馬に蹴られる』宣言(1.5話参照)をしたり、まあそんな深く考えるなよ…ひいては、揚げ足取るなよ…という空気も漂っている。
そんな中、プロデューサーである白倉Pがジオウの世界についてTwitterで面白いことを書いていたのでまとめてみた。
この一連のツイートを読んだことで、ジオウを考察する上での大前提に気づくことができた。
それこそ、この話を突き詰めていくと『馬に蹴られる』内容になると思うが、白倉Pが言ってるんだからいいよね。
目次
ジオウと他の平成仮面ライダーの関係について
先ずはTwitter上で白倉Pにより語られた、ジオウと他の仮面ライダーとの関係について考えてみる。
新仮面ライダーの誕生はタイムジャッカーのおかげ
遅まきながら。
ジオウにおいては、「もしタイムジャッカーが介入してなかったら」という想定はありえません。
ビルドを例に取るなら、先週までのエグゼイドとはまるで別設定のビルドがしれっと始まったのは、タイムジャッカーがエグゼイドの歴史をなくしてしまったからである…みたいなことです。— 白倉伸一郎 (@cron204) October 5, 2018
そういう解釈で正しいです。「じつは……」というのをやるかもしれませんが。
— 白倉伸一郎 (@cron204) October 6, 2018
某ジオウは、「過去の番組の時系列の矛盾」を解決しようとしているわけではないんですけどね。
「過去の番組が、前までの番組があたかもなかったかのようにしれっと始まる矛盾」を解決しようとしている部分はありますが。— 白倉伸一郎 (@cron204) October 12, 2018
めちゃくちゃおもしろい。
ちょっとメタ的な視点も含まれてはいるが、タイムジャッカーの介入によりエグゼイドが消滅したことで、スカイウォールやエボルトが存在する全然違う世界観のビルドの世界が生まれたらしい。
タイムジャッカーのおかげで毎年新たな仮面ライダーが誕生していたのか!
『風が吹けば桶屋が儲かる』的に、クウガとグロンギの消滅が世界に何らかの影響を与えて、アギトとアンノウンを出現させた…ってのが19回続いたってことか?
どうやら、世界は『毎年ヒーローと悪が誕生』する運命へ収束しているらしい。
逆にタイムジャッカーがいなければ仮面ライダーはクウガしかいなかったのだろうか。
MOVIE大戦・平成ジェネレーションズという矛盾
しかし、ここで全員が思い浮かぶツッコミとしては、映画では仮面ライダー同士が共闘するよね?ってことだ。
ここまでの話だと、仮面ライダー同士の横のつながり…つまりMOVIE大戦や平成ジェネレーションズで仮面ライダー同士が出会う出来事は無視されていることになる。
更に白倉Pのツイートを見ていくと…
え?
ジオウでは(タイムジャッカーの介入前には)平成ライダーが放送と同様にそれぞれ存在していたという設定ですので、ビルドは2017年に存在していた設定になってます。当然スカイウォールもあります。— 白倉伸一郎 (@cron204) September 14, 2018
うーん、ここにも不可解な点が。
ビルドでは、新世界創造前からビルド以外の仮面ライダーの世界とはパラレルワールドの関係であり、過去の仮面ライダーがいない世界であることが『平成ジェネレーションズ FINAL』で明らかになっている。
白倉Pの話はその点が無視されているような…いや、一つの仮説としてはジオウの今後の展開(結末)によって、平成仮面ライダーが一つの世界に存在できるようになるのかも…。
とか考えていたが、そもそも考え方が間違っていた!
『ジオウと過去作品の矛盾』を考えるのは無意味!
さて、長々と考察を書いているがここからが本題だ。
平成仮面ライダー統一史は存在しない
『レッツゴー仮面ライダー』のことですか?
史実かパラレルかという意味が分かりませんが、ご存じの通り「平成ライダー統一史」はありえないので、どの作品世界視点か、という問題でしょうか。オーズ視点・電王視点から見れば史実、クウガ視点や龍騎視点から見ればパラレルでしょう。
— 白倉伸一郎 (@cron204) October 5, 2018
この時点でやっとわかった。
白倉Pの言葉をそのまま借りることになるが、平成ライダーによる統一史はあり得ず、どのライダーの視点から見るかによって物語は違うのだ。
仮面ライダービルドという作品では、ビルド本編や映画で語られた内容が全てだ。
仮面ライダージオウという作品では、タイムジャッカーの介入により2017年年末にビルド本編から分岐した、ジオウ視点のビルドの世界(パラレルワールド)が発生しているのだ。
なので、ビルドの新世界=ジオウの世界なのか?という問に対しては明確に“違う”ということになり、実際にその質問に対して以下のような解答があった。
ありません。
ビルドの「新世界」は2018年8月に発生していますが、ジオウにおける歴史改変はもっと前に起こってますので…— 白倉伸一郎 (@cron204) September 10, 2018
まあ正直、ビルド・ジオウ両作品とも作品内で歴史改変が起こっているのでめっちゃややこしいけど、ビルドの歴史改変より先にタイムジャッカーによる歴史改で分岐が発生しているので、ビルド新世界とジオウの世界は関係なしってことになる。
もちろん、アナザービルドが消滅した瞬間はジオウの世界でも、戦兎が創造した新世界に戻ったということになっているかもしれないが、タイムジャッカーによる歴史改変というビルド視点では起こっていなかった事実が含まれているので『ビルドの世界≒ジオウでのビルドの新世界』以上になることはないだろう。
この例えがわかりやすい。
時間モノは、パラレルワールド概念を含みます。
ドラ○もんが、の○太を更生させるために未来から来るのは、「ドラ○もんのいなかった世界」から「ドラ○もんのいる世界」に来たのと同じこと。いわば、因果律によるパラレルワールド。(つづく)— 白倉伸一郎 (@cron204) October 12, 2018
ドラ○もんの例えめっちゃわかりやすいやんけ。
ドラえもんがとち狂ってのび太とジャイ子を結婚させたとしても、ドラえもんが介入してしまった以上ドラえもんが来なかった世界と全く一緒だとは言えない…ということだろう。
シュタゲでいうと、タイムジャッカーの介入により世界線が変動したということだ。
MOVIE大戦を例にすると、エグゼイドはゴーストと2016年に出会っている。これはエグゼイド視点では事実である。
しかしジオウ視点では、タイムジャッカーが介入したことで発生した『ゴーストが消滅しているエグゼイドの世界』なので、そんな出会いはない。
仮面ライダーエグゼイドと仮面ライダージオウの間には矛盾が生じているというわけではなく、分岐した別の世界での話なのだ。
つまり、TVシリーズだろうと映画だろうと…そもそも別の世界なのだから、ジオウにおいて過去作品との矛盾を考えるのは意味がない!
まあ正直こんな感じではあるんだが。
あれ?でもそうするとタイムジャッカーの介入が無いジオウ以外の仮面ライダーの世界では、次作の仮面ライダーが誕生しないことになる…と考えてしまいがちだが、『タイムジャッカーの介入により新しい仮面ライダーが誕生するという設定』自体もジオウの世界でのできごとであり、他の仮面ライダーからすれば知ったこっちゃない、ということだろう。
あーぐるぐる回ってきた感じがするけど、こんな理解でいいのかな…?
仮面ライダージオウを考察する上での大前提
結論としては…
- ジオウの考察において、過去ライダーの本編や映画と矛盾が発生しているという意見は意味を成さない。
- 何故なら、タイムジャッカーが介入した時点で本編とは枝葉別れとなったパラレルワールドの関係になっているから。
- ジオウから見た『平成仮面ライダーの歴史』は各ライダーから見た歴史とは異なる。
いやー、例え馬に蹴られようとも、めんどくさいオタクと思われようとも、こういう事を真剣に考えるの…楽しいのよね。
そもそも、この文章自体にも色々とツッコミどころがあると思うが、それこそ『大人の事情にツッコムやつは馬に蹴られる』ってことでご勘弁を…。