いよいよ、騎士竜戦隊リュウソウジャーの放送が始まった。キュウレン、ルパパトとフォーマット崩しの変化球作品が続いていたこともあり、“恐竜”という王道テーマに回帰したスーパー戦隊の1話では、どういった部分でインパクトを見せてくるのかということが注目ポイントだった。 そしてその答えは、巨大怪人戦におけるロボの“巨大ヒーロー感”だったと思う。
本当は1話が放送された時点でこの記事を書きたかったが、バンドの方で大きなイベントがあったため執筆は2話の放送後になってしまった。しかし、2話からも同様の所感を得たため、そのまま書き進めようと思う。
特撮ヒーロー作品における第1話の王道展開とは
特撮ヒーロー作品の1話はだいたい2種のパターンに分けられるのではないだろうか。初めから変身能力を持っており、1話では世界観の説明とそのかっこよさを見せつけるパターンと、主人公が偶然事件に巻き込まれ、力を得てヒーローになる過程を描くパターンだ。 リュウソウジャーは、最初にマスターから力を受け渡されるシーンこそあるものの、前者に分類されるだろう。
前者のパターンの展開をさらに細かく見ていくと、OPで変身済みヒーローが暴れてかっこよさを見せることで子供たちの心を惹きつけておいて、後半の盛り上がりのピークで改めて全員揃っての変身&名乗りという展開が定石だと思う。
リュウソウジャー第1話の盛り上げ方と推し要素
しかしリュウソウジャーは違った。まずはOPでいきなり師弟による“ダブルレッド”での戦闘という熱い展開を見せてきた。(しかもその後、師匠との別れ(?)というイベントも待っている。)うお~こんな盛り上げドーピングを1話から使っちゃうのか~。これは熱いよね。
そして後半ではマスターの意思を受け継ぎ、戦う意思の固まった3人による同時変身&名乗りがくるか?と思うじゃん。盛り上がりのピークに登場したのは、キシリュウオー スリーナイツだった。同時変身&名乗りの代わりに、巨大ロボの登場をもってきたのだ。
このキシリュウオーがまたすごい。かつてこんなに動ける巨大ロボがいただろうか。もちろん人によって好き嫌いはあるだろうが、重厚感のあるロボットのような動きではなく、 スーツアクターの存在を感じる圧倒的に華麗な某巨大ヒーローのような動きを見せた。 人間のようにスリムだが華奢さは感じさせないスタイルの良い足(太もも)、オープンロケならではの圧倒的ナパームの量、着地時に舞い上がる岩石、カメラの構図から感じる大地の広さ、等の演出を含め、今までの戦隊巨大ロボから圧倒的な方向転換が図られたようだ。こりゃここにもってくる価値あるね〜。
敵怪人のマイナソーも圧倒的“円谷怪獣感”の様相を見せた。スーパー戦隊の敵キャラは基本的にドラマ部分にも噛んでくるわけで、意思疎通ができることがほとんどだ。 ここまで恐竜っぽい、あるいは動物っぽい敵怪人にはあまり覚えがない。といっても、リュウソウジャーは恐竜というそもそも巨大な生物がテーマの戦隊なのだから、その登場は自然だし、巨大ロボとの相性も良い。
見ている作品はスーパー戦隊なわけだが、ピークに巨大ロボの登場をもってくる手法からも、巨大ヒーロー作品の要素を多分に感じた1話だった。 キシリュウオーと巨大怪人との戦いは、完全に作品の推し要素になっているようだ。
そして締めくくりは、最後の最後まで隠しておいた3人による変身&名乗り!良い1話だった!(誰に向かって名乗っとんねんってツッコミはなしだぞ!)
今後もキシリュウオーと巨大怪人戦推しは続くのか
その後2話を視聴して、巨大怪人戦に力を入れた作品であることに、ますます確信を持った。どうやらマイナソーは、産み出した人間のエネルギーを吸って成長(巨大化)していくらしい。つまり今までのように『①人間の大きさの状態で一度倒す→②巨大化』というパターンから①が無くなる可能性もある。実際に2話では、マイナソーは倒されることなく巨大化し、等身大のスーパー戦隊VS巨大化した怪人というシーンが存在した。さらに、ビルに寄りかかるティラミーゴ、細かいカット割りのカメラーク、下から見上げるカットの多さ、精巧なミニチュア、相変わらずのキシリュウオーの動きと、1話と変わらない圧倒的な力の入れよう、かっこよさが伝わってきた。
リュウソウジャーは今後も、今までに無い巨大怪人戦、あるいはキシリュウオーを推しにした作品になっていくのであろうか。そんな戦隊があってもいいと思うし、楽しみで仕方ない。 実際には、これからの子供達の反応(おもちゃの売上)次第なのだろう。
仕方ないな。おもちゃを買って作品に貢献するか(自分への言い聞かせ)。