ワイヤレス・イヤモニのススメ【ギタリスト編】

特撮ソングカバーバンド『海賊版戦隊セイクリッドヘキサゴン』のギタリスト、ヤマシタです。

バンドで良いパフォーマンスを行うためには、当日のリハーサルの短い時間の中でステージ上のモニター環境(中音)をベストな状態に調整するという作業が必要になります。

しかし、楽器の数が多いバンドでは中音が飽和して自分の音を見失ったり、他の楽器の邪魔にならないよう音量を下げざるを得なかったり、苦労することも多いのはないでしょうか。

その課題を解決するための手段として、自分の出す音を耳元に返してくれる“イヤモニ”の導入が考えられます。

イヤモニといえば、ある程度大きな規模のホール等で演奏するミュージシャンが使う物というイメージがあるかもしれません。しかし、音の飽和しやすい小さなライブハウスでの演奏にこそイヤモニを使う価値あるんじゃね!?と考え、エフェクターボード内にワイヤレス・イヤモニを組み込んで、自分のギターの音をモニターできる仕組みを構築してみました。

ワイヤレス・イヤモニ『JTS SIEM-2』を購入!

早速ですがワイヤレス・イヤモニをサウンドハウスで購入!

サウンドハウスの女
サウンドハウスの女

あ、どうも。いつもお世話になっております。

購入したのはJTSのSIEM-2という製品です。

JTS SIEM-2
JTS SIEM-2

Amazonでも購入可能ですが、サウンドハウスの方が安いです。この記事の執筆時点では1万円近く価格差があります。

『JTS SIEM-2』レビュー

SIEM-2はサウンドハウスの説明によると

B帯を利用したワイヤレスインイヤーモニターシステム。発信回路にはPLL方式を採用し、安定した送受信を実現。コストパフォーマンスに優れたシステムです。同一エリア内最大4波まで使用可能です。

JTS(ジェーティーエス) SIEM-2 インイヤーモニターシステム 送料無料

とのこと。

その特徴は、何と言っても他のワイヤレス・イヤモニに比べて…圧倒的に安い。

SHUREの製品なんかは7万円以上する中で、2万円代前半で買えるこの製品のコスパはすごい。

そしてシンプル。

チャンネルを合わせてボリュームを調整する以外の操作が必要ないので、説明書なしでも使うことができました。

こちらがトランスミッター(送信機)。

SIEM-2の送信機
SIEM-2の送信機

送信機の前面にインプットが2つ、それぞれのボリューム、チャンネル変更ボタン、電源ボタンが付いています。背面にはLOOP OUTの端子があります。

届いた製品を実際に手にとって見ると…正直ちょっと安っぽい。

ボディはプラスティック製で、びっくりする程の軽さが頼りなくも感じましたが、そこはコスパ重視で。機能的に問題なければOK!

こちらがレシーバー(受信機)です。ガラケーみたいなアンテナは意味あるんか?

SIEM-2の受信機
SIEM-2の受信機

ノブがスイッチ兼ボリュームになっており、受信機側でも音量調整が可能です。

SIEM-2の受信機
SIEM-2の受信機

カナル型のイヤフォンが付属しています。

SIEM-2付属のイヤフォン
SIEM-2付属のイヤフォン

エフェクターボードへの組み込み

早速、エフェクターボードに組み込んでみました!

SIEM-2の送信機
SIEM-2の送信機

私は音作りのメインシステムとしてBOSSのGT-1000を使用しており、MAIN OUTPUT端子からアンプへ、PHONES端子からSIEM-2へ接続しています。

SIEM-2の組み込まれたエフェクターボード
SIEM-2の組み込まれたエフェクターボード

図にするとこんな感じ。

SIEM-2の使用例
SIEM-2の使用例

※同じBOSSのマルチエフェクターでもGT-100やGT-1はMAIN OUTPUT端子とPHONE端子への同時出力はできません。

ちなみに、ぴったり収まっている私のエフェクターボードはこちらの製品です。

BOSS GT-1000の設定

参考までにGT-1000側の設定も載せておきます。

MAIN OUTPUT端子は、シールドでJC-120のリターンに接続する一般的な方法で利用しています。

PHONES端子にはSUB OUTの音が出力されるよう設定します。そうすることでMAIN OUTPUTとは別のOUTPUT SELECTを設定したり、個別に音量を調整することができるようになります。

PHONES端子への出力設定画面
PHONES端子への出力設定画面

アンプの音量はOUTPUT LEVELの物理ツマミから、SIEM-2へ送る音量であるSUB OUTのOUTPUT LEVELは画面から適量に調整します。

SUB OUTのOUTPUT LEVELの設定画面
SUB OUTのOUTPUT LEVEL設定画面

SUB OUTのAIRD OUTPUT SELECTには『LINE/PHONES』を設定しておきます。

SUB OUTのAIRD OUTPUT SELECT設定画面
SUB OUTのAIRD OUTPUT SELECT設定画面

反射でめっちゃ手が写り込んでるけど気にするんじゃあない。

実際にライブで使ってみた!

ギタボ、ギター、ベース、ドラム、キーボードという編成のバンドで、キャパ200人くらいのハコでのライブで使用してみました。

SIEM-2をライブで使っている様子
SIEM-2をライブで使っている様子

リハの際にイヤモニからの音がブチブチ途切れて一瞬焦ったんですが、チャンネルを変更すると正常に聴こえるようになりました。ライブハウスの何かの機材と混線していたようです。

本番では特に大きなトラブルもなく、しっかりとワイヤレス・イヤモニとしての役割を果たしてくれました。当たり前だけど…

めっちゃ聴こえるやん。

ワイヤレス・イヤモニを使うメリット

自分の音を見失うことがなくなる

そもそもこれが目的で使っているわけですが、ギター2本とキーボードが鳴っている曲でも自分の音を見失うことはありませんでした。ステージ中に受信機側で音量を微調整できるのも素晴らしい。

爆音でメンバーや最前列のお客様に迷惑をかけずに済む

自分がモニターしやすい音量までアンプのボリュームを上げた結果、ライブ後にメンバーから「お前、今日めっちゃ音でかくなかった?」。

リハで言わんかい。

ということはなくなるはず。

自分の音はイヤモニから聴こえてくるので、アンプのボリュームはステージ最前のお客様にギターの音を届けるための適量を心掛けると良いのではないでしょうか。

自分のコーラスの声が聴こえやすい

本来の意図ではありませんが、耳栓効果で自分のコーラスの声もよく聴こえるようになります。

ワイヤレス・イヤモニを使うデメリット

バンドの音圧が低く感じる

イヤモニを装着していると、耳栓効果でバンドから感じる音圧が低くなります。

そのせいでバンドのグルーブにのりづらく、演奏しにくいという人もいるのではないでしょうか。

普段のスタジオリハからイヤモニを使用して慣れておく必要があるなと感じました。

自分のミスがモロに聴こえて動揺する

自分が出したミストーンまではっきり聴こえるので、いつも以上にミスが多くなったように感じるかもしれません。

思った以上に動揺してまう。

一人一台イヤモニを持つ時代がやってくる?

実際にライブをしてみて『自分の音がしっかり聴こえる環境を短時間で作ることができる』というイヤモニ導入の最大のメリットを大いに感じることができました。これは素晴らしい。今後のライブでもガンガン使っていく予定です。

きっとこの需要はすごくあると思うんですよね。小型化が進めば、ギターのワイヤレスシステムなんかと同じようにエフェクターボードに入れるのが当たり前の時代もくるかもしれません。

ギタリスト向け小型ワイヤレス・イヤモニ・システムの開発よろしくお願いします!(Zoomさんどうでしょう?)

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他の使用機材についてはこちらの記事をご覧ください。
ヤマシタの使用機材紹介

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